あなたの目は大丈夫?
その変化に気づきにくいため、症状が進んでから自覚する人が多いと言えます。
特に、子供の場合は、自分では気付きにくいため、大人が意識して様子を観察しておく必要があります。
最近、目を細めてものを見たり、こすったりという動作を良く見かけませんか?
目つきが悪いと言われることはないですか?
当てはまる場合は、視力が低下しているかもしれません。
視力低下は気づかないうちに進んでいきます。
状態を確認して、対策を立てることで改善が見込めるかもしれません。
ぜひ、注意深くチェックして、早めの対策を心がけましょう。
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近視、遠視、乱視について
目の外から入ってきた光が網膜上に焦点が合うとき、人は物を鮮明に見ることができます。しかし、なんらかの理由で網膜から離れたところに焦点を結んでしまうと、物をはっきり見ることができません。
入ってきた光が、網膜より手前に焦点が合う状態を近視、網膜よりも後ろに焦点が合う状態を遠視といいます。また、縦方向と横方向から入ってきた光がそれぞれ別のことろに焦点が合う状態を乱視といいます。
近視や遠視、乱視になる原因はさまざまですが、主に眼軸(がんじく:目の奥行きの長さのこと)と角膜、水晶体の屈折力(光を曲げる力)が密接に関係しています。眼軸が長ければ長いほど強い近視に、短ければ短いほど強い遠視になります。
近視や遠視、乱視ともに眼鏡やコンタクトレンズにより矯正することが可能です。軽い度数の場合はあまり気にしなくてもよいのですが、強い度数になると合わせるのにテクニックが必要になるため、眼科でしっかりと合わせてもらった方がよいでしょう。
乱視は誰にでもある?
眼科で視力検査をしているとき、患者さんから「私は乱視があるからね」とか「私は乱視が強いからね」と言われることがよくあります。結論からいうと、そういう人に限って乱視はあまりないことが多いです。ではなぜ多くの人は乱視があると思い込んでいるのでしょうか?
1つの理由として、眼鏡店で眼鏡をつくるときに「あなたの目には乱視がありますね」と言われているのではないかと思います。厳密にいうと、ほぼすべての人に乱視はあります。しかし眼科では、わずかな乱視は乱視があるといわない方が多いです。
患者さんに乱視がと伝えると、残念がる人もいるので「乱視は少しはありますが、眼鏡で矯正するほどはないですね~」とそっと伝えるようにしています。
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子供の近視を予防するには、近くを見る時間を少なくして、できるだけ遠くを見る時間をつくることです。例えば、ゲームやスマホを長時間見続けることを続けていると、ピントが近くを見る状態に固定されるため、それが原因で近視化してしまいます。
とはいえ、近視の原因は眼軸による要素が大きいです。眼軸が長い親同士が結婚して生まれた子供は、近視になる子が多いため遺伝的な要素が強いことは否定できません。
レーシック手術ができる人とは
近視の矯正には、眼鏡やコンタクトレンズを用いる以外に、レーシックなどの近視矯正手術によって治療する方法があります。レーシックは、エキシマレーザーを目の内部に照射して、形状を調整することで近視を矯正する手術です。
レーシックを受ける前には、視力検査はもちろんのこと、眼圧検査や角膜の形状を詳しく解析する検査、角膜の厚みや内皮細胞が正常かなどを調べる検査など、術前に多くの検査が必要です。検査で特に問題がなく、ドライアイの有無や、器質的疾患の有無を医師が診察してレーシックができるかどうかの最終判断をします。
斜視について
斜視とは、片目が真っすぐ向いているときに、もう片目が違う方向にずれてしまっている状態のことです。ずれている方向や原因により、いくつかに分類できます。
斜視の分類

片目が真っすぐ向いているときに、一方の目が外にずれている状態を外斜視といいます。外斜視は、斜視の中では比較的多くみられる斜視です。生まれつきの場合もありますが、大人になってから外斜視になる場合もあります。
片目が真っすぐ向いているときに、一方の目が内にずれている状態を内斜視といいます。内斜視には生まれつき斜視である乳児内斜視や、子供の頃になりやすい調節性内斜視が多いです。また、大人になって急に発症する急性内斜視があります。その他、片目が上方にずれる上斜視もあります。
斜視の治療
斜視は手術により治療が可能ですが、斜視の角度が安定しないと手術をすることができません。その場合は、プリズムという斜視を矯正する特殊な眼鏡で様子をみます。斜視の角度が安定すれば、手術をすることが可能になります。
費用は斜視の手術方法にもよりますが、片目だけの手術であれば3割負担で15000円前後です。ほとんどの斜視手術は、1~2日ほどの入院で行うことができます。
弱視について
弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が(1.0)まででない状態です。子供の視力が発達する期間は生まれてから8歳頃までといわれています。そのため弱視は、早期発見して早期に治療する必要があります。
弱視はなんらかの原因で片目に視覚刺激がいかない、もしくは視覚刺激が弱いことが原因で発症します。弱視には原因によりいくつかの種類に分類されます。
弱視の分類
斜視が原因で弱視になることを斜視弱視といいます。斜視になっている方の目に視覚刺激がいかずに弱視になってしまいます。斜視の中には、間歇性(かんけつせい)といわれる斜視があります。間歇性の斜視は、常に斜視になっているわけではなく、斜視になっている時とそうでない時が混在するタイプの斜視です。間歇性は外斜視によくみられるタイプで、弱視にはなりにくいです。
生まれたときに白内障や眼瞼下垂(がんけんかすい)などの病気があり、それが原因で視覚刺激が目に届かずに弱視になることを形態覚遮断(けいたいかくしゃだん)弱視といいます。弱視の中でも治療効果が出にくいタイプで、早期に視覚刺激を遮断している原因を取り除いてあげることが重要です。

強い近視や乱視が原因で、網膜に焦点が合わないために弱視になることを屈折異常弱視といいます。屈折異常弱視は、原因となる遠視や乱視を眼鏡で矯正して治療します。眼鏡は視力が回復したからといって、すぐにやめることはできません。しかし、成長とともに遠視の度数は軽くなる傾向があるので、眼鏡を外して生活できるようになる人もいます。ちなみに近視の場合は、遠くのものはばやけて見えないのですが、近くのものに対しては鮮明に見えるため弱視にはなりにくいです。
左右の度数差が大きく、それが原因で弱視になることを不同視弱視といいます。弱視の中でもっとも多くみられるのが、この不同視弱視です。左右の度数差が大きければ大きいほど弱視の程度も強くなります。治療としてはまず眼鏡をかけて、弱視になっている目を優先的に見させる訓練をします。訓練は良い方の目を眼帯やアイパッチで隠して、弱視の目だけで見る時間を定期的につくります。
弱視の対策

弱視において重要なのは、早期発見早期治療です。特に不同視弱視や屈折異常弱視は見逃されやすいので注意が必要です。3歳児検診や就学前検診により発見されることが多いので、検診が弱視を発見することに重要な役割を果たしています。
弱視が発見された場合、まずは弱視になっている原因を調べます。斜視弱視や形態覚遮断弱視においては、弱視の原因となるものを取り除くために手術が必要になることがあります。
一方、屈折異常弱視や不同視弱視では、眼鏡や訓練により治療効果が見込めます。ただし弱視の治療用眼鏡を合わせるには、調節麻痺剤とよばれる点眼を使用する必要があるので、眼鏡店に直接行くのではなく、眼科で眼鏡の処方箋を持参の上、眼鏡店に行ってください。
弱視の眼鏡には保険がきく
意外と知られていないのが、弱視と診断された子供の眼鏡作成には保険が適応されます。ただし、年齢が9歳未満であること、医師の診断書・処方箋が必要なこと、自分で手続きを行わなければならないことなどの条件があります。
それでも、この制度ができたおかげで弱視治療の眼鏡をすすめやすくなりました。もし弱視と診断された場合は、医師に診断書・処方箋を書いてもらいましょう。
■編集:本田孔士、目でみる眼疾患、文光堂、2009年
■監修:湯澤美都子、服部隆幸、中高年の目の病気、高橋書店、2015年
■編集:外園千恵、コメディカルがカギをにぎる眼科感染症対策、メディカ出版、2013年
遠視と老眼の違いは?
遠視とは?
遠視の症状
遠視は近視の逆で、遠くが見えにくい症状という認識をお持ちの方も多いのですが、実は遠視になると近くのものも遠くのものも見えにくくなります。そのため非常に目が疲れやすく、事務作業やデスクワークに支障をきたす場合があります。また、細かい作業を続けることも困難で集中力に欠けてしまうのも特徴です。
遠視は近視や老眼と同様に視界がピンボケしてしまう目の症状ですが、その状態を長く続けると視力の低下を招く危険性もあります。また、頭痛を伴う場合もあるので早めの矯正が必要です。
遠視の原因
遠視は生活習慣や加齢によって起こるわけではなく、ほとんどの場合が生まれつきの体質によるものです。
人間は生まれたばかりで眼球がまだ小さいうちは、ほぼすべての人が遠視です。そして大抵の場合は大人になるにつれて身体と一緒に眼球が大きくなり、成長に伴って遠視は解消されていきます。しかし元々の遠視がきつい場合は眼球の成長によっても遠視が解消されず、そのまま残ってしまうのです。
子供のうちはピントを合わせる力が強いため、仮に生まれつきの遠視であっても見逃してしまうことが少なくありません。そのため大人になってから遠視が発覚し、生活習慣が原因であると勘違いしてしまう場合が多いのです。
遠視と老眼の違い
前述の通り、老眼と遠視はその原因も症状も異なります。
まず遠視は先天性の体質であるのに対し、老眼は加齢に伴う老化現象で誰にでも起こる症状であるということです。両方とも目のピントのずれが原因ですが、遠視は網膜よりも後ろにピントが合ってしまうのに対し、老眼は網膜よりも前にピントが合ってしまいます。これにより、遠視は近くのものも遠くのものも見えづらく、老眼は近くのものが見えづらくなる症状が現れるのです。
【参考】
SANTEN: http://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/hyperopia/
結膜炎
細菌性結膜炎
身近にある細菌に感染することで発症する結膜炎です。
感染力が強いウイルス性結膜炎に対し、細菌性結膜炎は、感染力は弱いので感染するリスクはそれほど高くはありません。
細菌性結膜炎の症状は、他の結膜炎同様に充血や目やにですが、細菌性結膜炎の場合、膿の様なドロっと粘着性のある目やにが出るのが特徴です。
ウイルス性結膜炎

「はやり目」や「プール熱」など、ウイルスの感染が原因で起こる、比較的頻繁に発症する目の病気です。
ウイルス性結膜炎の原因になるウイルスでは、アデノウイルスが有名ですが、その他にもウイルスにはエンテロウイルスやヘルペスウイルス、コクサッキーウイルス等、集団感染を起こす原因となるウイルスは多数存在します。
ウイルス感染は免疫力が落ちていると発症しやすくなります。
流行性角結膜炎
俗に「はやり目」と呼ばれるもので、症状としては目やに、充血があります。
痛みがありますが、かゆみはほとんどないと言われています。
アデノウイルスが原因の結膜炎ですが、プール熱程症状は重くなく、1週間ほど症状が続いた後は自然と治っていきます。
咽頭結膜炎

別名、プール熱と呼ばれるもので、プール学習が始まるころから徐々に増え始めます。
アデノウイルスが原因による病気です。
39度前後の高熱が3日から1週間ほど続き、喉が腫れ、目にも痛み、痒み、目やになど結膜炎の症状が現れます。
のどの痛みは個人差もありますが、人によってかなり傷む場合もあり、その症状は、短くて5日、長ければ1週間続きます。
ウイルス感染なので、免疫のない子供に多く発症しますが、免疫力の落ちている大人にも発症する場合があります。
飛沫感染、経口感染など人を介して感染し、その感染能力は非常に高く、発症後1週間か長ければ2週間程度、便からはおよそ30日もの間ウイルスが排出し続けます。
乳幼児の場合は、アデノウイルス肺炎といわれる症状の重い肺炎になる場合もあるので、注意が必要です。
結膜炎の症状が強い場合、小児科とは別に専門医である眼科での治療が推奨されます。
アレルギー性結膜炎
目の表面に着いたアレルゲンが原因で発症するもので、アレルゲンは人によって違います。
多くは花粉症など、何らかの花粉が原因で起こる季節性のアレルギーですが、一年中症状が出る通年制のものもあります。
急性出血性結膜炎
手足口病やヘルパンギーナ等にも見られる、エンテロウイルス属というウイルス性の結膜炎で、タオル等を共有することで他人に感染します。
潜伏期間が2、3日と短く、感染力が強いのが特徴で、充血や瞼の腫れやブツブツが見られます。
触った指先などから感染するので、感染した片方の目からもう一方の目に感染することで、両目に症状が現れる場合があります。
水晶体の病気
白内障
物を見る時にカメラのレンズのような役割を果たす「水晶体」が濁ってしまう病気です。
原因は、加齢が最も一般的で、痛みはないものの、ものを見る際に白く霞がかって見えたり、夜間の運転時に対向車のヘッドライトや街灯などがまぶしく見えるといった症状があります。
水晶体脱臼
「チン小帯」と呼ばれる細かな筋肉のような繊維で眼球壁に固定されている水晶体ですが、、打撲など眼球を強く打つなど、なんらかの原因によりこのチン小帯が切れてしまい、水晶体が落下してしまうことを「水晶体脱臼」と呼びます。症状が軽い場合は経過観察になります。
網膜の病気
網膜とはどういったもので、どのような役割があるのか
網膜は眼球の最も内側にある膜で、10層構造になっています。網膜は物を見るのにとても重要な役割を担っています。網膜には多くの視細胞があり、視細胞は錐体(すいたい)と杆体(かんたい)に分けられます。
錐体細胞は明るいところで働く細胞で、網膜の黄斑部(おうはんぶ)に多く存在し、視力や色覚(色を識別する)をつかさどっています。そのため、網膜の黄斑部になんらかの異常が生じると、著明に視力が低下します。杆体細胞は暗いところで働く細胞で、網膜の周辺部に多く存在し、光覚をつかさどります。

目の外側から入ってきた光は、網膜で電気信号に変換され、この電気信号は視神経から脳に伝わります。これが物を見るしくみです。そのため、網膜は物を見ることに深く関係しているといえます。
網膜に病気を起こしてしまうと視力低下だけでなく、最悪の場合、失明してしまう恐れもあります。一般的に、網膜の有名な病気といえば網膜剥離だと思いますが、網膜の病気で失明率が一番高いのは糖尿病網膜症です。その他にも、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)や網膜色素変性症など、網膜の病気には日常生活に不自由をきたすものが多く存在します。
網膜剥離
網膜剥離は眼球の内側の「網膜」という膜がはがれてしまう病気です。
網膜剥離は、網膜に孔(穴)が開くことが原因で起きる裂孔原性網膜剥離と、孔が開いていなくても剥離がおきる非裂孔原性網膜剥離があります。
初期症状としては、飛蚊症や光視症、視力低下や視野欠損がある。
糖尿病網膜症

日本における失明原因の第1位と言われています。
糖尿病が原因で起きる合併症の中でも、糖尿腎臓症や神経症と並ぶ、有名な合併症の1つです。
糖尿病と診断を受けてから、10年ほどで発症すると言われていますが、初期には自覚症状が無い場合も多いです。
糖尿病は様々な合併症を併発することで知られていますが、『糖尿病網膜症』もその1つです。さらに、この糖尿病網膜症は日本国内では失明の原因となる疾患の第一位とされています。
糖尿病を患い、高血糖値状態が続くと網膜の血管がダメージを負ってしまいます。そのまま進行すると血管が損傷を受け、血管が詰まったり変形を起こしたりといった状態に陥ります。すると必要な酸素が網膜全体に行き渡らず、不足した酸素を補うために網膜は自ら新しく細い血管を伸ばしていきます。この血管は細くもろいため、傷つきやすく出血を起こすこともあります。
なかなか自覚症状があらわれないのも特徴で、糖尿病と診断されてから10年以上経って糖尿病網膜症を併発していたことに気付くケースもあります。そのため糖尿病の方は目に自覚症状がなくとも、定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。
網膜静脈閉塞
網膜静脈閉塞とはその名の通り網膜の静脈が詰まり血液の流れが滞ってしまう病気です。網膜静脈閉塞は高齢の方に起きやすい病気とされています。これは、この病気の発症が高血圧と密接な関係があるためです。これは、血圧の高い状態が続くと網膜の血管が傷ついてしまうことに起因しています。
症状が進行すると眼底出血を起こし、出血が広がった部分に関して視野の欠損が起こります。また、徐々に視力が低下していき最悪の場合は失明に至ることもあります。
高齢者に多いと説明しましたが、若い人でもこの網膜静脈閉塞を発症することがあります。その多くの場合は血管の詰まりではなく、なんらかの病気によって血管自体に炎症が起こっていることが原因です。若年層の網膜静脈閉塞の場合、完全に血管が詰まりきってしまことは少ないので血液の流れが滞ることもなく、徐々に改善していくことがほとんどです。
角膜・硝子体の病気
角膜の病気 角膜感染症
角膜に感染する主な微生物にはウイルス、細菌、真菌や原生動物があります。これらの微生物が角膜に感染して繁殖し、症状を引き起こすことを角膜感染症と呼びます。
細菌性角膜炎について
細菌性角膜炎は、目を草木で突くといった外傷によるものや、コンタクトレンズの不適切な装用が原因で起こります。「黄色ブドウ球菌」「緑膿菌」「肺炎レンサ球菌」などが代表的な原因菌です。
細菌性角膜炎になると痛みが非常に強く、まぶしさや充血、涙がでるといった症状がでてきます。さらに角膜の中央部が濁っていくため、視力も低下します。
治療法は、原因菌を特定し原因菌に対する抗生剤の点眼を行います。重篤な場合には、入院して内服、点滴の治療が必要になることもあります。
真菌性角膜炎について

真菌性角膜炎は、細菌性角膜炎に比べるとまれな疾患です。真菌性角膜炎は「アスペルギルス」「フザリウム」などの農村型と、「カンジダ」による都市型の2つに分かれます。
農村型の真菌性角膜炎は、主に植物の葉や枝による外傷が原因となって起こります。都市型の真菌性角膜炎は、全身もしくは眼局所の免疫不全を背景にして起こりやすくなっています。病原性は農村型の方が都市型に比べて強く、重篤化しやすいです。
真菌性角膜炎では、角膜に潰瘍を形成するため視力低下を引き起こし、充血や痛みを伴います。細菌性角膜炎に比べて抗菌剤に対する抵抗性が高いため、治療では病巣を削って物理的に除去してから、抗真菌薬を使用して、根気よく治療していく必要があります。
アカンドアメーバ角膜炎について
アカントアメーバ角膜炎は、コンタクトレンズ装用者に多く見られる角膜炎です。アカントアメーバは、身近なところに常在している原生動物で、目に付着しているだけでは感染症を起こすことはありません。しかし、コンタクトレンズの誤った使用により、目が傷ついている状態であれば感染することがあります。
アカントアメーバ角膜炎は、痛みや充血などの初期症状が他の角膜感染症と似ているため、診断がとても難しい病気です。特徴として、角膜の状態がさほど悪化していない関わらず、病態以上に強い痛みを感じることがあります。アカントアメーバ角膜炎が進行すると、角膜が白く濁るため視力が低下します。そのため、早期発見、早期治療を行うことがとても重要です。
アカントアメーバ角膜炎には、アメーバに対する特効薬がないため、治療は抗真菌薬や消毒薬点眼、またはアメーバに侵された角膜を直接削り取るという方法しかありません。早期に診断がついて治療を行えば視力回復の期待がもてますが、診断・治療の開始が遅れて角膜炎が進行してしまうと、完治が難しく角膜移植をする以外に視力を回復する方法が無くなることもあります。
ヘルペス性角膜炎について
ヘルペス性角膜炎は、主に単純ヘルペスウイルスが角膜に感染しておこる病気です。ヘルペスウイルスは多くの人が感染しているのですが、普段は三叉神経に潜伏していて症状を引き起こすことはありません。しかし、体の抵抗力が衰えたときにヘルペスウイルスは活性化し症状を引き起こします。
ヘルペス性角膜炎は、大きく上皮型ヘルペスと実質型ヘルペスに分類されます。上皮型では樹枝状角膜炎、地図状角膜炎、実質型では円盤状角膜炎が臨床的によくみられます。
ヘルペス性角膜炎では、充血や異物感、視力低下などの症状を引き起こしますが、痛みはアカントアメーバ角膜炎ほど強くありません。ヘルペス性角膜炎にはアシクロビル眼軟膏と感染予防の目薬の点眼を中心に治療を行います。
視神経症
目の病気は放置すると最悪失明の恐れもあります。
最近はスマホやパソコンを使う機会が多くなり目の疲労も知らない間に蓄積されていきますよね。
そこでまず知っておきたい目の病気のひとつとして、「視神経症」と「視神経炎」とについて見ていきましょう。
一見同じような印象を受けますが、簡単にご説明しますと物を見るという動きを認識する「視神経」に起こる病気が視神経症で、炎症を伴ったものが視神経炎です。
そもそも視神経とは網膜に映る情報を脳に伝達する大切な働きがあり、脳が認知した時に初めて映像として私たちが認識しています。
視神経に炎症が起こると急に視力低下になり、視野の真ん中が暗くなり見えにくくなる症状がおこります。
場合によっては痛みをともなうこともあります。
視神経症
目に飛び込んできた情報を信号に変換して脳に伝達する「視神経」になんらかの障害が生じ、物を上手く見ることができなくなる病気です。
その原因は様々で、合併症を発症していることもありますが、原因を特定出来ない場合もあります。
視神経症の場合は原因別で呼び名が変わります。
- 虚血性視神経症
- 高血圧や動脈硬化などの病気の方に起こりやすい視神経の血管が詰まるもの
- 外傷性視神経症
- 外傷性視神経症は眉毛外側の打撲などの外部のダメージにより、視束管(しそくかん)と呼ばれる細いトンネルのような骨で視神経に障害が起こる病気です。
原因は外傷による衝撃により招くもので、視神経繊維の血管原性浮腫(けっかんげんせいふしゅ)、循環障害が原因になります。
主に多いものがバイクや自転車の事故や交通事故などで、全額部を強く打ったことが原因になるケースです。頭でも眉毛部を強く打っている場合は特に注意が必要になります。 - 中毒性視神経症
- 薬物により視神経に障害が起き、視力低下を伴う病気。
両目共に中心部が見えづらくなってくるという症状の現れ方をします。 - 特発性視神経炎
- 原因不明の視神経炎で、どちらかといえば20~50代の女性の発症率が若干多い疾患です。
視力の低下が著しく、両目になる場合や片目しか症状が出ない場合もあります。中心が見えない場合もあれば、全体的に霧がかかったようにぼやけていたり、ある場所から徐々に見えづらくなっていく等人によってさまざまな症状があります。 - 抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎
- 圧迫性視神経症
- 虚血性視神経症
- 遺伝性視神経症

なんらかの原因で細胞表面にあるアクアポリンという組織に自己免疫を発揮し、誤って抗体がつくられてしまう病気です。こちらも女性に多く、著しい視力低下を引き起こします。主に免疫抑制剤を用いた治療が行われますが、再発の可能性が高いのが特徴です。
他の神経症と違い、痛みが無いのが特徴で、片側の目にゆっくりと進行する。その期間は数か月にわたり、中心視力の低下や視野狭窄といった症状以外は、特に痛みが無いのが他の神経症と違うところです。
視神経に栄養を与える管に障害が起こり、視神経の働きが鈍くなる病気です。全身の循環障害によって引き起こされることも多く、高血圧や糖尿病の合併症としてあらわれることもあります。そのため、しばしば体質改善的な指導が行われます。
遺伝性視神経症は正式には「レーベル遺伝性視神経症」と呼ばれる疾患です。
指定難病302で、急激に目の視神経に病変が起こるものです。起こりやすいのは8歳~40歳代の大人で特に小学校高学年から30代の男性に多い疾患と言われています。
ライフステージの変化になる進学や就職、昇格などのタイミングで突然視力を失ってしまうのです。
しかもこの病気は難病で有効的な治療方法がありません。発症すると数週間~数か月かけて両眼の視力が低下、中心部の視野欠損などの症状が進行します。
現在この病気の患者さんは国内で1万人ほどと推測されています。
原因はミトコンドリアの遺伝子変異で、なんらかの発症要因がプラスされた時に起こるといわれています。
喫煙と発症の関係も報告されているほか、ホルモンや薬剤との関連性もあるなど、はっきりとした原因はいまだに不明です。
現在行われている治療方法はコエンザイムQ10の誘導体のイデベノンが有効であり、他にもビタミンC、ビタミンB12の内服、眼底血流の改善のための点眼薬や内服薬を使うこともあります。
海外ではミトコンドリアの遺伝子治療を行っているところもあり、治療に向けた様々な実験や研究が日々行われています。
症状
はじめは視力低下や視野欠損から起こりますが、失明してしまうようなケースはごく稀です。
視力が部分的に回復、もしくは元通りに改善することもありますので、異常を感じた時はすぐに病院で検査をしてもらうとよいでしょう。
遺伝性視神経症は喫煙がリスクを高めることがわかっていますので、禁煙することも健康のために検討することが大切です。
ミトコンドリア遺伝子に何らかの変異がある人に発症するといわれ、酸化やストレスが発症の原因と考えられる。
視神経は脳につながる中枢神経の一部のため、抹消神経と比較すると回復力が弱い特徴があります。そのため大きなダメージを受けると再生できないこともありますので、視神経の病気は早期発見して治療することが必要ですね。
視神経炎
視神経症に炎症を伴ったもの
視神経炎は比較的若い女性がかかることが多く、原因ははっきりしていませんがウイルス感染ではないかといわれています。
涙・涙腺の病気
ものもらい

麦粒腫
ものもらいと言われるものの大半が、この麦粒腫と呼ばれるもので、細菌による感染で目に炎症を起こし、強い痛みがでたり、違和感がある。
霰粒腫
麦粒腫と似ていますが、麦粒腫のように細菌の感染によりおこるものではなく、まつ毛の生えビワにある「マイボーム腺」という分泌腺に脂肪が詰まることで発症する。
新生児涙嚢炎
本来涙は涙点(目頭にある小さな穴)から鼻涙管を通って鼻の奥に流れていくのですが、それが途中で詰まってしまい、上手く涙が流れず、炎症し、細菌感染を起こす状態。
ぶどう膜炎
ベーチェット病
指定難病56に指定されている病気。
主な症状は、視力低下。
目をはじめ、口内や鼻の中など身体中の皮膚や粘膜に慢性的な炎症が生じる病気。免疫異常により異物でないものに対しても免疫反応を起こすことにより引き起こされます。
サルコイドーシス
指定難病56に指定されている、サルコイドーシスは、ぶどう膜に炎症が起きることで発見される場合が多い。その症状としては、目のかすみ、羞明(光がまぶしく見える)や飛蚊症、充血、視力低下などがある。
感染性眼内炎
細菌性眼内炎、真菌性眼内炎などがあり、菌に感染することでかかる病気。感染経路は体内の感染病巣からの菌の侵入による内因性のものと、傷口や手術を介して外部から菌が侵入する外因性のものがあります。
細菌が原因での眼内炎は、進行が速く、最悪の場合失明する可能性もあるため、早期発見と治療が大切。
その他
ドライアイ
症状:目が乾き、疲れやすくなる。進行すると視力低下や角膜剥離を引き起こす危険性がある。
原因:エアコンなどによる乾燥、コンタクトレンズの使用やパソコンなどのデジタル機器の長時間の使用以外にも、睡眠不足や加齢も原因となります。
VBD症候群
症状:充血、目のかすみ、視力低下、目の奥の痛み
眼精疲労と間違われやすいのですが、目だけではなく、全身に症状があらわれるという特徴があります。
中には、めまいや吐き気といった症状が出る方もいます。
原因:スマホやパソコンなどの液晶ディスプレイを搭載したVDTという電子機器端末を長時間おこなうことが原因となっており、携帯やパソコンなどの普及により症状を訴える人が増えてきています。
